成人における一般的な歯科診療です。
保険治療における歯科診療は、病気を治す治療と失った機能を回復する治療に分けられます。
病気の治療とは、むし歯治療、歯周病治療、抜歯などが挙げられ、機能回復する治療には詰め物、被せ物、入れ歯が挙げられます。
General
Dentistry
一般歯科
診療内容
むし歯治療
むし歯は切り傷や擦り傷のように、放っておくと自然に修復するわけではなく物理的に取り除いて修復する必要があります。これは年齢にかかわらず同じ処置が必要です。保険診療で行うむし歯治療は、虫歯を取り除く治療と、取り除いた部分をフォローする治療に分かれます。むし歯を取り除く際は「う蝕検知液」というむし歯の部分のみが染め出される薬品を用いてむし歯を取り除きます。その後、歯の色のプラスティック(光重合レジン)で削り取った部分を埋め立てます。光重合レジンで埋め立てることができないような場合(広範囲で強度が必要など)は、歯形をとって金属製の詰め物を製作します。
以下のような症状でお悩みの方はご相談ください。
- 急に大きな穴が開いた
- 歯ブラシでこすっても取れない黒い点がある
- 部分的に黒っぽく透けている
- 以前より物が詰まりやすく、詰まった物がとれない
このような症状がある場合は、レントゲン写真や透照診(強い光を当てて透かすことでむし歯の有無を確認する)などをおこない、むし歯の有無を確認します。
Q&Aむし歯治療
Q.むし歯治療の後、しみます。
A.むし歯の範囲が、歯の神経や血管を含む歯髄組織の入っているところの近くにまで進行していた場合、削り取る刺激で一時的に歯髄組織に炎症が起こる場合があります。炎症が起こると刺激に対して敏感になるため、詰め物をして刺激を遮断してもしみることになります。通常は炎症が治るとともにしみる症状は無くなりますが、1、2ヶ月してもしみる症状が続く、あるいはだんだんしみる症状が強くなるなどの場合は、歯髄組織を除去しなければならないこともあります。
Q.年齢とともに歯ぐきが下がってきて、
それとともにしみます。むし歯でしょうか?
A.歯ぐきが下がると本来歯ぐきや骨にカバーされている歯根部分が口の中に露出します。もともと口の中に出ている部分に比べて歯髄までの距離も近いためしみる症状がでやすいです。「知覚過敏」といいます。知覚過敏用の紫紺に塗布する薬剤での処置、知覚過敏用の歯磨剤などを使用して対応しますが、そもそも歯ぐきが下がったのが年齢以外に歯周病が原因であれば、歯周病治療も必要です。
For Dental
Health
歯周病治療
歯周病の始まりは、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)の内面に潰瘍ができ、そこから出血することからはじまります。その原因は、歯周病菌をはじめとした細菌の集まりが歯の表面にこびりついたバイオフィルムからの刺激によるものです。
歯周病治療では、ただバイオフィルムを落とせばいいというものではなく、まず詳しいお口の中の資料を取り、ご本人様から食生活、生活習慣、基礎疾患などを詳しく聞き取り、現状をご本人様と共有することから始めます。
そのため、当院の歯周病治療では担当制となっております。担当する歯科衛生士が、現状に合わせた歯磨剤、はみがきツールを処方し、セルフケアのサポートをすると同時に、来院していただき専用の道具や器具でお口の中をリセットします。その後は、その状態を維持するためのサポートを引き続き担当衛生士が行います。
以下のような症状でお悩みの方はご相談ください。
- どこからかわからないが血の味がする
- 糖尿病と診断された
- 疲れると歯が浮いた感じがする
このような症状がある場合、歯周病が関係していることがあります。
Q&A歯周病治療
Q.毎日歯を磨いているのに歯周病と診断されました。
A.歯周病はブラッシングのみで予防できるわけではありません。歯周病は生活習慣病です。生活環境や毎日の習慣、食習慣の積み重ねが体に負担をかけていくといつしか抵抗力が落ちてきます。体とお口の中の細菌の勢力のバランスが崩れると、一気に細菌の勢力が強まって進行します。歯磨きはもちろん大事な習慣ですし、歯磨き自体のスキルを上げることは歯周病進行の抑制につながります。しかしそれは、患者さん自身が健康的な生活を送っていること、健康であることが前提になってきます。
Q.他院で歯周病治療に通っています。毎回行くたびに歯を
ガリガリ削られて、いつか歯が痩せ細ってしまうのではと心配です。
A.ガリガリ音がするのは、歯の表面にこびりついた歯石を専用の道具で取り除く音です。きちんと道具を研いだ状態で行えば、歯を傷つけることなく歯石のみ取り除くことができます。歯が痩せ細ってしまうことはありません。
Q.歯周病と診断されました。何回通えば治りますか?
A.歯周病は糖尿病や高血圧と同じく、一生お付き合いをする病気です。歯周病の原因菌は、住みにくい環境(出血しない、歯周ポケットが浅いなど)になって増殖し辛くなってくると、歯ぐきの中に入り込んで休眠状態になるため、完全に除菌することは不可能であることがその主な理由です。歯周病の治療は、完治させることが目的ではなく、休眠状態に陥るような環境をできるだけ短期間に獲得させて、その後その休眠状態ができるだけ長く続くように支援する治療です。
補綴治療
むし歯が深く進行している場合、詰める治療で終われない場合があります。その場合、歯の中の神経や血管を含んだ歯髄組織を除去し、歯全体にかぶせるような形でフォローする場合があります。それを補綴治療といいます。歯髄組織を取り除くと歯の強度が落ち、割れるリスクが高まります。そのため、内側からプラスティックや金属で補強し、さらに全体に被せて覆うことで強度を保ちます。保険治療の場合、歯の部位によって違いますが、金属やプラスティックの被せ物を使用します。また、保険適応外の自費治療の場合は、セラミック製の被せ物を使用します。また、この補綴治療には入れ歯治療も含まれます。保険治療のものに加え、金具が目立たない入れ歯(ノンクラスプデンチャー)、上顎を覆う部分を薄くする入れ歯(金属床)、磁石を金具の代わりに使用する入れ歯(マグネットデンチャー)など各種保険外治療があります。
Q&A補綴治療
Q.歯を抜いて入れ歯治療をする必要がある場合、
歯のない期間があるのは困ります。
A.歯を抜く治療を行わざるを得ない状況になっているということは、単に抜いて入れ歯を作れば良いことはほとんどなく、合わせて他の虫歯や歯周病治療が必要であることが往々にしてあります。また、抜歯をいきなり行うと物が食べれなくなるなどの弊害も起こります。その場合当院では仮の入れ歯を作成して使っていただきながら並行して他の治療を行います。
Q.仮歯が外れてしまいました。
A.仮歯はその名の通り「仮」の「歯」です。最終的な被せ物と同じ接着剤で止めてしまうと外せなくなります。のちの治療をやり易くするために、外せる程度の強度の接着剤を使用します。